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金額の多い少ないは別にしてよくある相談ですね。
貸したお金を返してもらう権利を貸金返還請求権と呼びますが,返す約束をして,お金を渡せば,返還時期が到来することで貸金返還請求権を行使できます。
実際に権利を行使する方法としては,⑴内容証明郵便で督促をする方法,⑵支払督促を申し立てる方法,⑶裁判を起こす方法が考えられます。
⑴内容証明郵便で督促する方法
①いつ幾らを貸したのか,②いつまでに返す約束だったのか,③約束の期限を過ぎても返済がないので内容証明郵便が借主の手元に届いてから何日以内に貸主名義の口座に振り込むように,という内容を記載した書面を送るのが一般的です。
郵便局を通じて行うものですので,簡単で費用の掛からない方法といえますが,あくまで借主の自発的な返済を促すにすぎませんので,内容証明郵便で定めた期限までに返済がなくても強制的に取り立てることはできません。
⑵支払督促を申し立てる方法
相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に,申立書を提出する方法で行います。
裁判所が申立書を相手方に郵送しますが,相手方に届いた日の翌日から2週間間,相手方は支払督促の内容に異議を申し立てることができます。
異議が出なかった場合には,仮執行宣言の申立てを行うことで相手方の負う貸金返還義務を強制執行によって実現することが可能となります(相手方の負う貸金返還義務を強制執行によって実現することを「執行力」と呼んでいます。)。
相手方が異議を述べない場合には,速やかに執行力を手に入れることが出来る点で優れています。
もっとも,異議申立期間内に異議が出されてしまうと,裁判手続に移行することになります。この場合には,裁判を起こす場合と同じ手続になります。
相手方の住所地が遠方であった場合に異議が出されてしまうと,遠方の裁判所まで通わなければなくなりますので,異議を出す可能性があるかを見極める必要があります。
⑶裁判を起こす方法
相手方の住所地あるいはご自身の住所地のいずれかを管轄する裁判所に訴状を提出する方法によって行います。訴状は,請求する金額が140万円以下の場合には簡易裁判所に,140万円を超える場合には地方裁判所に提出することになります。
裁判所は,訴状とともに第1回の期日の呼出状を相手方に送達します。
第1回期日までに,相手方の言い分を記載した答弁書が提出されます。
その後は,事案にもよりますが1か月から1か月半程度の間隔を空けて期日が開かれます。期日ではお互いの言い分を記載した準備書面のやり取りを行います。
その上で,証人や当事者の尋問が行われ,その後に判決が出されます。
勝訴判決の場合には,貸金返還義務を強制執行によって実現することができます。
また,「和解」で終了することも多いのですが,その場合,仮に,和解後に支払が滞った場合にも,強制執行は可能です。
時間がかかることにはなりますが,執行力が得られる点や「和解」という形で柔軟な解決ができるというメリットはあります。
以上をまとめると,内容証明郵便を送っても返済がなければ裁判を起こすあるいは支払督促を申し立てるということになります。
裁判や支払督促を行う際には,当該事案にはどちらの手続が適しているか,訴状あるいは申立書の記載,証拠の選別という問題があります。
また,本題とは横道にそれますが,時効という言葉を聞いたことがあると思います。時効期間が満了し,かつ,時効を主張する意思表示がされてしまうと貸金返還請求権は消滅してしまいますので,時効期間は何年か,時効期間は満了しているか,等を検討する必要もあります。
貸したお金が返してもらえないという場合には,弁護士に一度相談されてみてはいかがでしょうか。