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「中古で購入した家が白アリ被害に遭っていた」

 Aさんは,半年前に不動産業者B社から築40年の中古木造住宅を購入しました。ところが,白アリの調査を行ったところ,Aさん宅床下では土台や柱が白アリに食い荒らされており,内部が空洞になっている箇所もあることが判明しました。建築士に見てもらったところ,地震が起きれば家が倒壊する可能性があることも分かりました。

 Aさんは,B社に対して法律上どのような請求ができるのでしょうか。

 

1 瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)の追及

 民法では,売買契約の対象となった建物に「隠れた瑕疵(かし)」が存在していた場合,売主は,買主に対して瑕疵担保責任を負うことが定められています(民法570条)。

 「瑕疵」とは,目的物が通常有すべき品質・性能を有さないことを言います。

 「隠れた」とは,①一般人が取引上要求される一般的な注意を用いても発見できず,かつ,②買主が知らず,知り得なかったことを言います。

 今回の事例では,土台や柱が白アリ被害に遭っているAさん宅は,家屋として通常有すべき品質・性能を有していませんでした。

 また,①床下で起きていた白アリ被害を発見することは一般人にとっては困難ですし,かつ,②Aさんも床下の白アリ被害を全く知らず,知り得ませんでした。

 したがって,Aさんとしては,B社に対して瑕疵担保責任を追及することが考えられます。

 

2 瑕疵担保責任の内容

 売主が買主に対して瑕疵担保責任を負う場合,買主は,①契約の解除または②損害賠償請求を行うことができます(民法570条本文・566条1項)。

 今回の事例でも,Aさんは,①売買契約を解除し,B社に対して購入代金の返還を求めることが可能です。

 また,Aさんは,②売買契約を解除せずに,B社に対し,白アリ駆除代金や家の修理代金などを支払うよう損害賠償請求をすることも考えられます。

 白アリ被害の程度やB社の対応などを踏まえ,いずれの方法を選択するのか慎重に検討することが必要です。

 

3 瑕疵担保責任に関する注意点

 瑕疵担保責任の追及は,買主が瑕疵の存在を知った時から1年以内に行わなければなりません(民法570条本文・566条3項)。

 また,買主が瑕疵の存在に気付いていなくても,建物の引渡しを受けた時から10年が経過すると,瑕疵担保責任を追及する権利は時効によって消滅する可能性があります。この時効期間は,売買が「商行為」に当たる場合は5年とされますし,売買契約締結時に約款によって1年または2年に短縮されていることも多いです(売主の瑕疵担保責任が免除されていることもあります。)。

 そのため,買主としては,購入した建物の品質・性能に疑いがあれば早期に検査し,瑕疵を発見すれば直ちに対応することが必要です。

 

4 弁護士からのおすすめ

 瑕疵担保責任を追及する場合,建物の欠陥が「瑕疵」に当たるのか,どのような支出・損害について賠償を求めることができるのかなど,法律的な判断が求められます。

 また,瑕疵担保責任を追及できる時期は限定されていますが,新築建物を購入した場合には要件を満たせば建物の引渡しを受けた時から10年間権利を行使することができるなど(品確法),例外的に権利行使ができる場合もあります。

 さらに,瑕疵担保責任の追及が難しくても,債務不履行責任や不法行為責任などを追及できる場合もあります。

 建物の欠陥に関する紛争に対応するには専門的な知識が不可欠なので,すぐに弁護士に相談することをお勧めします。

 

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