弁護士日記

HOME > 弁護士日記 > エステをめぐる法的トラブル~契約~

エステをめぐる法的トラブル~契約~

「ツルツルの素肌を手に入れよう!」,「夏までに-3kg!」

エステティックサロンの広告は,電車の吊り広告,駅などに備え置かれているフリーペーパーなど,あちらこちらで目にします。以前のエステティックサロンが提供する商品コースは,10万円以上する比較的高額なものが多かったです。その後,初回の施術を無料や低額にした商品,女性のみならず男性を対象とした「ヒゲ脱毛」等の商品などが出現し,資力の乏しい学生(若者)が,また女性のみならず男性が,エステを利用する機会が増えました。身近になりつつあるエステですが,エステをめぐるトラブルが増えています。
今回は,エステをめぐるトラブルについてお話ししたいと思います。

最初に,エステ契約のトラブルについてです。
ある相談者の方は,美顔エステ(フェイシャルマッサージ)を無料で体験できるという勧誘電話を受けました。相談者は,エステサロンに出向いて,無料の美顔エステを体験しました。エステ施術が終わった後,販売員2人から,「お客様の肌質にとても合っている内容なので,ぜひ続けてください。」,「これからも続けてこそ,効果が確かなものになりますよ。」と美顔エステ24回コースの契約を勧められました。相談者の方は,断りきれず,24回コース契約と化粧品の購入を申し込み,信販会社に80万円のクレジット契約を申し込んでしまいました。
相談者は,サロンから自宅に戻り,冷静になってみると,「こんなに高額のエステを申し込んでしまい,後悔している。」「この契約をやめたい。」と考えました。そこで,当事務所に法律相談にいらっしゃいました。

クーリングオフ」という言葉をお聞きになったことのある方もいらっしゃるでしょう。
3月30日の回で,詳しくお話ししましたが,一定の取引について,所定の期間内であれば,何らの理由も必要としないで,かつ,無条件に申し込みを撤回し,または,契約を解除することができるという制度です。
継続的にエステ施術を提供するサービス契約は,特定商取引に関する法律(特定商取引法)に定められたクーリングオフの要件を満たせば解除できますし,信販会社との間で結んだクレジットの契約も,割賦販売法に定められたクーリングオフの要件を満たせば解除できます。

ところが,このクーリングオフ制度を悪用したトラブルに巻き込まれてしまったというご相談が増えています。
ある相談者の方は,エステサロンで,エステシャンから,「無料でエステを受けられるチケットを渡しますので,うち(エステサロン)から化粧品等を購入することにして,クレジットの申込をしてくれませんか。」,「化粧品を購入した契約もクレジット契約も,クーリングオフするので,お客様にご迷惑はおかけしません。」,「お客様には何の負担もなく,無料エステを受けられるのですから,お得ですよ。」と誘われました。
相談者の方は,あまり深く考えることなく,その誘いにのってしまい,化粧品の購入契約書とクレジットの申込書を作成してしまいました。その後,エステサロンはもぬけの空になり,相談者の方はエステシャンと連絡が取れなくなってしまいました。相談者の方は,化粧品を受け取ったこともないのに,クレジットの返済を続けている,返済が厳しいので,助けて欲しいと,当事務所の法律相談にいらっしゃいました。

他にも,クーリングオフ制度を悪用したトラブルに巻き込まれたというご相談が増えています。
これらのトラブルは,「無料エステ」が契機となっていること,その場で慎重に判断しないまま契約書を作ってしまったことが,共通しています。身近になりつつあるエステですが,悪質なトラブルに巻き込まれないよう,慎重に行動することが大切です。
万一,トラブルに巻き込まれてしまったら,早急に,当法律事務所にご相談ください。

投稿者 : admin|2015年4月20日